突然ですが、
つい先週(6月下旬)に、とある塾の経営者の方が書かれた、幻冬舎さんのオンライン記事を読みました。
というような、教育サービス業界の人間の一人として思わずドキッとしてしまう題名です。
著者の方は、塾講師出身の経営者として充分な年季とキャリアを持った方で、記事の大半は事実あるいは実感に基づいているので、大いに共感しましたし、塾の内部の人間が薄々勘づいていながらスルーしていることを、見事に言語化していると感じました。
ただし、ヤフーさんでの反応コメントを見ますと、意外と冷静(というか冷めた反応)も多いです。
そ・し・て!!
かかかかかかか家庭教師が、ほぼ?全否定されているぅ?!記述もありましたので、読んで感じた点を私も「言語化してみよう」と思った次第です。
さて、
ヤフーさんでの反応の指摘に、「その通りですよ」と内心思ったものがあります。
それは、
「この記事、そもそもポジショントーク(自らに利益を導くための情報発信)じゃん」
というものです。
はい。そうでしょう!その通り。
今回に限らず、塾のブログなんてそれですよ!
テーマが教育なんで、つい「普遍的なお役立ち情報」に思われがちですが、せっかくブログをアップするのに、自社の利益になるとは限らない、フラットな情報発信をしているわけがないです。
だって塾は営利企業なんだから。
あー確かに、たまに慈善事業と考えていらっしゃる経営者やお客さんもいます。
輪をかけて、学力すら挙げられない現実を見ずに、やれ「人格形成」だー、「社会全体への貢献」だーとスローガンをウットリした目で叫んでいる現場もあるとか、ないとか。
その手の方々は、その道を爆走していただくとして、魁のこのブログ記事も
「ポポポの、ポジショントークでーす!!」
とハッキリさせときます。
んで、
読者のあなたが冒頭のリンクの記事を読まれたと想定して、続けますと・・・、
「家庭教師では成績上げるのは難しい」
⇒上がります。フツーに誰でも、と軽々しくは言えませんが。
指導形式で一括りにはできないです。
集団塾でも、個別塾でも、プロでもバイトでも、対面でもオンラインでも上がるものは上がる。
「3か月目あたりから緊張感がなくなり、グダグダしてくる。」
⇒そこからが腕の見せどころでは?と思います。
1:1指導は、速く垣根を取っ払って、踏み込んだ位置から効果的に指導ができる。
3か月くらいしてくると、お子さんと家庭教師の間に信頼関係もできる。
クセがつかめ、理解しているのか、いないのか、わかったふりをしているのか、ほぼつかめるので、それで抜けを無くしていける。
グダつきも出てくるが、「そこからがいい!!」のです。
グダる期がくるのは、、、どの指導形態でも一緒です。
お子さんもいつも元気と限らないし、やる気が伴わないこともある。
そこを拾うのは、1:1だろうと1:50だろうと同じです。
ただし、グダッたときに、それを放置するのか、「ONとOFF」を付けて軌道修正していけるのか?は幸不幸の分かれ目です。
以前、校舎見学をした塾があったのですが、時間場所を問わず、チャラついた女生徒が友だちと自撮りを撮ってはSNSにアップしているのに、スタッフがだーれも指導しない様子を見てしまい、大変にガッカリしたことがあります。
大半の塾では、「退塾は悪。退塾は罪。退塾は恥…」という呪文?が内部で唱和されています。
グダつきを放置してしまうのは、「退塾されたらどうしよう?(上から叱責される~)」というその場しのぎの思いがあるからです。
こういう場ができてしまうと、真面目に取り組みたい or 声に出さないけれど内心迷惑しているお子さんが巻き込まれます。
もちろん、決して成績向上はしません!
家庭教師上りは採用していない
⇒これは経営者の判断なので、それはお好みで。(考えがおありになるんでしょう)
魁は、もともと集団指導型の講師で塾キャリアをスタートしました。
集団指導でその日の指導を終えると、
「自分のしゃべり倒した満足感が、お子さんの満足感と混ざってしまう」
としか言い表せない、壮大なカンチガイに陥ることがあります。
満足すると、お子さんの状況をとらえるところまで気が回らない。
集団指導で、成績を伸ばしていたのは間違いないですが、家庭教師になって、いかに今までお子さんの様子を見ずに指導した気になっていたかよーーくわかりました。
(自然と見えてきますから)
今回、魁は、集団・個別・家庭教師・・・どれが優でどれが劣かと決めたいわけではありません。
それぞれ教育サービスの現場において、「保護者さんとの契約に基づき、お子さんの成績を上げる」という目的があった場合に、使う能力が違う。
スポーツに例えるなら、「野球で試合に勝つ」という共通の目的があった場合に、監督とコーチとピッチャーとバッターでは、役目がハッキリ異なる、というくらい違います。
サッカーなら、ゴールキーパーとフォワードとボランチで考えや目線、必要な筋力がかぶる部分はあっても、半分以上は異なるはずです。
単に物理的な面で見ても、声のボリュームや文字の書き方自体すら違うので、指導スタイルが異なった場合に講師側の工夫は必須です。
魁の場合は、(結果的に、ですが、)初めから家庭教師や個別指導で塾のキャリアをスタートしないでよかったと、自分で振り返ります。
例えば大きい声を出していたのを小さい声へスケールダウンすることはできますが、逆は難しいです。
恐らくキャリアをチェンジする際に、逃げ道にしてしまったのではないかと想像します。
魁が採用する方は、こちらのとおりです。
アウトプットがないので、伸びない。
⇒フハハハハ!
こちらは魁の得意ゾーンです。企業秘密なので、書きません。
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魁が、感銘を受けた保護者さんの真実味のある一言があります。
「私は、塾の規模や仕組みでなく、人で見て選んでいるんで」
というものです。
どの塾も「ブログ(=ポジショントーク)」を必死にされている中、そう仰って私に申し込みをしてくださったことが超嬉しかったので、よりグッときた一言です。
AIが日々発達して、事務的な仕事にわざわざ人間が必要でなくなる中で、「人が人に教える」という一見単純な部分は、なかなか機械では代用できないようです。
体験授業や校舎見学をされ、「この人に任せていいのか?」を見極めるのは時間がかかりますし、意欲を持ち続けるのは保護者さんも苦労されると予想します。
でも、その時間は無駄ではない。
よく見極めて、という部分は、リンクの記事にも、あるいは、「人で見ています」という保護者さんにも、圧倒的に共感しますし、真理です。
*
塾勤務時代に、
「魁さん、なんでこういうニュースすぐに見つけて来られるの??」
という何とも言えないお可愛い質問を、社歴が私より長い人間から受けたことがあったのを思い出します。
「検索してると勝手に入ってきますよ?」
としか、その際は返事しようがありませんでしたが、今にして思えば、要はその人物は、キューリョーは塾のスタッフとしてもらっているが、本気ではなかったわけです。
「そりゃあなた、スマホの検索を教育サービスについては微塵も使わず、だーい好きなギャ〇〇ル(パチ〇〇とか〇馬とか・・・好きにすりゃいいけども)にしか使ってないからだろうよ」
とその時にツッコミを入れられれば良かったのですが、もはや過去の話・・・笑。
スマホの検索エンジンは露骨にその人の脳を投影しますので。
どうやら、お客さんの期待に応えるために、塾の中の人たちにはもっと直すべき点と、もっと努力が必要なようです。