いつもいつも
トゲ一つなく、朗らか一辺倒な話題を提供している当ブログ、今回は保護者さんとお話しする中で、魁が内心、
「それ、言わない方がいいですよ~~」
とコッソリ思っている発言について、指摘します。
その場で言下に遮って指摘することはまずありません。
指導後にそんなに長時間話していられるわけではないので、保護者さんの「言い方」を突っ込んでいたら話題がずれていきますし、状況もありますし。
そんなに深い考えの下に言っているんではなく、何となく出てしまったんです!
というケースの保護者さんもいるかもしれません。が、塾業界で定番の勧誘トークの一つ、
- できごと
- 心情変化
- 反応
の3段階で説明がされるように、何らかの思いがなければその発言は出てこないように人間はできています!
深い考えはなくとも、確実に(深くはないかも知れないが)思いがよぎったのです。
でも、信念とかでない限りは、直せば大丈夫です。信念・信条だって直せます。
その1「代わりに言ってやってくださいよ」
よくご相談を受ける中で、保護者さんから不意に出ることがある表現です。
確実にその前後に「この子、親の言うこと全然聞かないんで~」が付帯します。
そして、因果関係が証明できないのですが、この発言が出るご家庭のお子さんは成績が伸び悩むケースを多く見ます。
魁の記憶に残る中で、保護者さんからハッキリそのようなリクエストをいただいたのは、まだ塾社員時代の、まだペラいころです。中学3年生の進路面談においての、
「もううちの子、殴ってくださいよ~」
というお母さんからのお言葉でした。(実際に殴りは・・・しませんでした。時代でしたので、机は叩きましたが!)
ここ最近では、
「うちの子が音楽を聴きながらではないと勉強しようとしないんです!」
から始まって、「もう、勉強中の音楽は一切禁止と言ってやってください!」という流れのリクエストがありました。
実は、この音楽についての話題は何度かそのご家庭で話題に上っており、魁は都度こう答えていました。
音楽を聴きながらの勉強は絶対禁止ではないです。聴きながらでないと乗れないお子さんも半数います。 (ただし、英語の勉強のときは邪魔ですね。)
ただ、お母さんとしては、他人の私から、お子さんがいる目の前で「禁止だぞ!」と言って欲しかったようで、タイミングと形を変えて一切禁止を!のリクエストを改めてもらったわけです。
で、
お断りしました。
保護者さんが契約者であり、その意向にそって成績を上げるための指導をする!というのが点取りサービス業の私たちの務めです。
一方で家庭教師は、保護者さんの言えないことを伝える「伝言係」や、保護者さんのお子さんへの考え方の「コピーロボット」ではありません。
そして、お子さんの視点に立ってみたときに、
あ、この家庭教師は結局親の命令を聞いてるだけの存在なんだな・・・
と感じさせた瞬間から、かろうじて存在していた信頼関係(に近いもの)は消え去ります。
ましてや、この場合、「音楽は完全禁止ではないよ」と言っていた魁が、ある日を境に「やっぱり禁止!!」と急激に翻意することになります。
勘の良い子なら、いや特に勘が強くなくても、お子さんは本能的に、
「親からなんか言われた?」
「言葉に気持ちが乗ってない・・・??」
「あーぁ、そういうことか・・・(親とグルなんだな)」
と感じ取ります。
保護者さんには、そもそも家の中でルールを作るのが先であること、とはいえ、別に魁から時間を取ってお子さんの考えを聞く機会を取ることを提案しつつ、
「肉親とは違うが、味方してくれる他人」
であるからこそ、家庭教師を依頼してもらっている意味があるのでは?とお話ししました。
ここで「結局親とおんなじじゃん!!」と思わせたら、効果はなくなります。
保護者さんとも、学校の教諭とも、友だちや兄弟姉妹とも異なる立ち位置と接し方をできることが、お子さんの成長を促すのではないでしょうか。
その2「お話しがあります」
さて、
家庭教師は保護者さんの「完全コピー」ではありませんよ(少なくとも魁は)
ということから、より効果的に「お子さんー保護者さんー家庭教師」で勉強全般を進めるためにキーになるひと言があります。
それがこの「お話があります」です。
正しく言いますと、「お話があります」という言葉を発するのがNGなのではなく、
事前に何の”お話”なのか知らせてもらわないと、きっと不満足な時間に終わりますよ?
です。
ちなみに、塾の従業員の場合、保護者さんからこの手の連絡があると、
「ままま、まさか?!退塾か!!?(ドドドドドドドド)」
となる魔のひと言です。
魁の場合は、退塾とは異なりまして、保護者さんからこのリクエストがあると、
(その話の結論をどう持っていきたいの??)
というゴールが見えないで「三者の話し合い」がスタートするのが、
(探り探りになるから、望んだ結論が出ないかもしれませんよ??)
となりがちなのです。
お子さんを叱りたいのか、励ましたいのか、志望校を上げたいのか、下げたいのか、たとえ話や経験を話すにしても、その比重や方向性は・・・。それともただ話しておきたいだけか・・・。
せっかく、双方の時間を取って話すなら、「何がしたいのか」をある程度一致させておきたいし、その時間に魁が介在するなら、円滑に進むようにしたいのです。
*
地元塾時代、私より社歴が長い人間に、
「おれのする面談は、面談前に勝負がついている!」
と言って回っている人物がいました。
肝心の指導力や人物自体は、あまり尊敬できたモノではなかったのですが、要は保護者さんとの電話連絡や、面談前のお子さんとの面談で、
「あらかた話がついており、三者で確認と合意をする場所が面談」
という意味だったと、今は解釈しています。
その点だけは魁も見習って、よほど急な
「お話があります」
でない限りは、保護者さんの意図を確認するように努めています。