塾の秘密の内情

サイキョーの掲示物(お子さんの記憶をなめるな!)

突然ですが、

もし読者さんがお子さんをすでにどちらかの塾さんに通わせていらして、何らかの流れでこの記事をご覧になっている場合に、

今回ご紹介する 塾の校舎内のとあるポイント を見ることで、その塾のレベルを推し量ることができるので、発信しようと思います。

*注目!「入試問題を掲示しているか否か」

お子さんを通塾させていますと、年に何度かは「塾の進路相談」や「指導方針の説明会」等があるはずです。

その時、「入試問題の解法を掲示している塾」があったとしたら、それはダメジュクです。

よく、塾内の壁には、いわゆる「役に立つ情報」の掲示がされており、保護者さんがついうっかり立ち止まってしまうようなケースがあるのではないでしょうか?

「ボクは高学歴だから、カベにベタベタとモノを貼るのが好きじゃあないんで・・・ブシュブシュ(謎の聞き苦しい擬音)」

などと「ただ張るのが面倒くさいのことの言い訳(しかも理屈が意味不明)をしてサボっている自称ジュクチョー」というヤカラを見たことがありますが、

そのようなダメな意味の奇人は放置しておくとして、多くの塾としては、

「当塾はこのような情報をつかんでおりますよ!」
「ご家庭に有益な情報を提供できますよ!」

とアピるためには、掲示物を充実させるデモンストレーション(?)は結構効果的な手段かも知れません。

実際のところは、右から来た情報を左に流しているだけであって、その塾由来の情報はほぼないので、よーく見てあげてください。

実際、魁が地元時代の小塾に勤めていた時は、

どのような掲示をして塾生の機運を高めようか?
来塾された方に目に留まってもおかしくない情報を掲示しようか?

と、同僚と悩み、内容的にも形式的にも(物理的に効果の出る条件があります)考えを巡らせたり、微に細に工夫していました。

時には、他校舎の掲示物にダメ出しをしたことすらあります。
(逆に魁はあまり意見を聞き入れることがない人間でした!)

*さて、

秋となり、大事な受験期が近づいてくると、おおむね多くの塾さんでは「志望校の過去問題」の扱いが指導において大事になってきます。

・・・大事になってくるのですが、塾の運営の現場というのはひどく「その日暮らし」でなされており、雑ジュクだと

「今日はそろそろ入試問題をやりたい気分だから」

程度の理由で、点々バラバラにテキトーに選んだ過去問題に手を付け始めて、後から

「あでで?(←呆けた表情で)この間解いたっけ?」

となったり(もちろん記憶も記録もない)、

最悪、お子さんから恐る恐る重複の指摘を受けてから慌てて別の問題をコピー!!等ということがあります。

一度見たことのある同じ問題を受験期にもう一度解いて役に立つことはほとんどありません。
(意図的ならまだ許されますが、うっかりでは笑いも起きません)

せっかくの志望校の入試問題を、お子さんに、不要なタイミングで無駄撃ちならぬ「無駄解かせ」をさせて、あっさりと「可能性を一つ握りつぶす」。

そういう意識低い系の教室運営をするジュクが、お子さんの通っている塾かもしれません!

これは自慢ですが、

魁はその手の「思いつき運営」によるアホトラブルが大嫌いでしたので、地元塾勤務時代はそれを縛るルールを作っている側でした。
(今の指導の際にも、過去問題については合格のための手順があるので、受験生のご家庭にはお知らせしている通りです)

当然、「いい加減な指導」でその日暮らし指導をしているお花畑脳のスタッフ(まさかの役員)からは、その縛りを大儀そうにする不平が出ましたが、

押し通したことで、(そのだらしない、なんちゃって役員がいたにもかかわらず)計画的に指導が進み、そのクラスの成績と合格率は明らかに良くなりました。

クビナガカイツブリのイラスト(鳥)これは共鳴してくれた他の同僚と、プラン通りに受講してくれたお子さんたちの力が大きいです。

*話が迂回しました、

校舎の掲示物に、これ見よがしに

「入試問題の例題」と「ボクの考えたサイキョーのカイホー」

を貼りだしているジュクの運営者の何が薄ら寒いと言えば、この掲示を見させられてしまったお子さんの視覚的な記憶を軽視し、見誤っている点です。

地元塾時代に、魁をフォローしてくれていた数学指導の社員講師が、受験期に数学が苦手な男子の答案を採点していて、疑問の声を上げたことを覚えています。

「・・・魁さん、見てください。この子、自分で先に勝手に過去問題を解いたか、何かのズルをしてますよ!」

「え、どういうこと?」

「この問題、彼の実力では決して解けない構造をしてるんです。ふだんの出来と明らかに違うんで、わかります」

数学担当は個々のお子さんの出来を、一問一問見極めて、「何となくの違和感」で終わらせずにいたので、正解不正解だけでない異変に気付いたのです。

そしてその詳細を「分析」して見せてくれました。

「ひえ~~~、そういうことか。練習(この場合は授業時)でできないことは本番(この場合は過去問題演習)で急にできるようにはならないからね!」

謎の正解をしていたお子さんが、悪意を持ったズルで得点を稼ごうとしたとは限りません。

返却後にコッソリ呼び出して、慎重に確認をすると、

「確かに同じ問題をどこかで見たことがあります。ただし、事前に答えを見るようなことはしませんし、どこで見たかは覚えていないです・・・」

という返答でした。

ズルとしたかどうかの真偽はこの際問題ではなく、あの数学担当が指摘した一問が「実力でなくマグレ」であることが確かめられたことで、その数点分を考慮しての受験指導をリスタートできました。

鳥よけのイラスト(目玉風船)そしてそのお子さんは第一志望校に合格しました!

塾校舎の運営をする人間が注意を払わなければならないのは、

「お子さんは大人たちが思っている以上に強烈な記憶力を持っている」

ということです。

ただし、「いつどこで記憶したか」までは時系列や出典が曖昧なことが多いですし、勘違いや改変が加わって誤解をしていることもあります。

お子さんを一方的でなく指導したり、指導の合間に偏見なくコミュニケーションをとっていれば、

「このお子さんの記憶力、すんげーな!!」

と思わされることが多々あるはずなのですが。

過去問題とその解法が日ごろ校舎内に掲示してあれば、何となーく覚え込んでしまいます。

(ただし、突発的に正解をGETすることはあっても、次にはつながりません)

結局、ウキウキと入試問題とカイホーを貼りだしているジュクノヒトは、このような謎の正解を助長する掲示をしているのです。

ジュクにいがちなブラック上司の指摘風に言えば、

「塾生の思考に要らん影響を与えるって、ちょっと考えたらわかるやろ!?」

というヤツです。

その思慮が足りないのに加えて、自分の力をお子さんに誇示したがるジュクノヒトの悪い傾向が出ていると言えます。

「大学時代に数学を極めたんですぅ~ウフウフ」と宣って、嬉々として掲示を貼っていた別の若輩のスタッフにこの”要らん影響”について指摘をしても、改善がなされることはありませんでした。

彼にとっては、自己主張をできる場所が奪われるのがガマンできなかったのでしょう。

授業内の実戦で見せれば、それでいいのに。

お子さんのためではなく、自分のため!!という内心の発露です。

本当に数学を極めたのなら、「謎の正解」による数点のズレがお子さんの進路に与える影響が気になりそうなものですが・・・。

一方で、「謎の正解」に気づいた方の数学社員は、余計な張りものをすることなく、信頼の厚い校舎責任者を務めるようになりました。
(今はもう塾を退職して教員になっていますが)

「本物の数学マスターなら、ジュクには就職しないって?た、確かにーー!」では、今日も指導に行ってまいります!
ABOUT ME
代表者かのう
意外と若いおじさんです。 元某塾教務部部長。 香川県高松市在住。 とてつもなくいい人です。 Twitter @sakigake2020 LINE公式 @skj2020 県立高校受験と私立中学受験を10年超指導。 校長を務め、卒業生の第一志望校合格率は94%でした。 プロ家庭教師として、高松市に2021年春開業。 伝説的な「教育県」である香川県にて、持てる技術をフル活用して指導中。 このブログ記事で、お子さん&保護者さんに向け、今想うことを発信しています。

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