突然ではなく、前回記事の続きですが、
塾業界人ではない方からも、「存在しえない、存在したら嫌な、こんな塾はどうよ?」というアイディアを聞いたので、書きます。
4・政治色、(あるいは宗教色が)全力で丸出しのジュク
経営者がその地域での人脈を誇示したいがために、選挙前に立候補者のポスターがジュク内に掲示してあります。
もちろん、自社の社員に命令して張り出させているのです。
張ってあることで、
「支持者がお客さんになってくれるかもしれないじゃん」
「塾生が社会の事情に興味を持つのはいいことじゃろ!」
と、自分に都合のいい解釈をつけています。
ことあるごとに、年下の市会議員を下の名前で呼んで子分扱いしようとしているので、
「ウチの塾内に張ってやったよ~~~~」
と恩を着せておきたいのです。
常識と勇気あるスタッフが、「塾で選挙ポスターはおかしくないですか?」と意見しようものならば、
「オマエラが塾生増やさねえからだろ!わざわざきっかけをオレが与えてやってんの!!」
と、風通しの良いアットホームな社風が全力で発露します。
塾生と保護者さんに利益はあるのでしょうか?
いえ、経営者が大きな顔をしたいがために張っているのです。
自称、一企業の経営者を超越した「地域のアドバイザー」だからです。
【勘違いポイントの解説】
「政治や宗教において、不偏不党である」
というのが、教育サービス業界の基本線です。取り決めはないですが。
政治的な選択は(成人年齢が下がり、知識を得て判断するべき時期が早まっているとはいえ)、お子さんたちが自身ですればよいことです。
中学校社会科の公民の教科書には、選挙の説明のページには、編集時点での議席数や政党の情報が載っています。
とはいえ、文科省の検定済教科書ですので、党の優劣や投票先の判断につなげたり、宣伝につながるものではないです。
ジュクの人や家庭教師個人にも、思想、信条の自由があります。
それぞれに「思想の色」があったとして、そのフィルターをお子さんに示すのは、「頼まれていない余計な教えたがり」に他なりません。
つまり邪魔です。
お子さんに、図らずも影響を与えてしまう職種だということを想定していないのです。
指導の中で言うのも、塾内の運営に色を付けるのも、上記の「政治」のワードを「宗教」に置き換えたとしても、お子さんの選択を汚す行いです。
仮にお子さんに元から支持する、信じるものがあるなら、横槍を入れるのも邪魔です。
塾の世界にいると、「ワイドショーのコメンテーター」のようにひと言ご意見を言える立場にあるような、恐ろしい錯覚が起きます。
どんないい加減な人物でも、センセーとか~~長とかアドバイザーとか呼んでもらえるし、相談を受けるし、ひと言コメントを求められるからです。
恥ずかしいことに、業界には、塾でセンセーと呼ばれるまでは、周囲に認められるような努力をしてこなかったような人間が多いので、自家発電+担がれて、すっかり舞い上がってしまいます。
同じ気分なのか、何か組織的な動きがあるのか、まさか公教育の場で全く「不偏不党」と思えないような指導がお子さんたちになされてしまったケースが、香川県内でもニュースになりましたね。(2021年10月だったか)
そのまま承認欲求に飢え続けると、組織内では出世し(転職できないだけともいう)、お子さんや保護者さんを身勝手に巻き込む恥ずかしい大センセーの完成です。
看板やホームページで、明らかに、
「支持者です!」
「信徒です!」
「うちの塾に通ってくれるなら、活動に協力しますわ!」
と明言しているなら、あるいはまだ親切!!?でしょうか。
共感はしませんが。
5・ゼロかヒャクか!一か八か!受験はギャンブルジュク!!
月謝が超高いです。
月100万円オーバーで、入塾~受験日まで分割なしの一括払いです。
「~~高校に入りたい」「うちの子を~~大学に入れたい」という希望を聞いたら、絶対にその志望校からランクダウンしません。
(受かりやすいレベルに進路変更をしない)
考えられる、あるいは常人には考えもつかない、時間も手段もいとわない指導方法で、第一志望校1校に向けてゴリゴリに指導します。
押さえの第2志望校も受けさせません。
背水の陣です。
(相談には乗ってくれないので、不安を感じたらコッソリご家庭で受験をさせます)
その代わり指導力は卓越しており、成績も実力も異様に上がります。
上がらなくても同じテンションで指導が続きます。
完全なる成果報酬型なので、合格すれば、一括払いした料金はもらいます。
ふ、不合格の場合は、、、
全額返金します!!
(失われた時間は返ってきません)
長所
指導力は高い。超高い。
短所
受験はギャンブルじゃあない。
6・ブログ内容が、自分たちができていないことの言い聞かせになっているジュク
数ある塾があり、ほぼその数だけホームページやブログがあり、記事の数だけお客さんを引き寄せようとポジショントークが記載されていますが、そのジュクでは・・・。
ブログ記事の末尾に、ちょくちょく「ウチのジュクでは、~~~していきます」
という表現が威勢よく書かれています。
例・
○○(ジュク名)では、お子様一人ひとりに合わせて、当たり前のテスト準備を徹底していきます!
(`・ω・´)/ キリ!!
しかし!その表現は、
「やべ!全然やってねーのに今気づいたわ…」
「できてないからこれからやろう、おいおいやろう、いつかやろう。とりあえず書いておこう…」
といった実情、内情の顕れです。
書いておけば、やってる感が出せるからです。
中には人の好い保護者さんが、好意的な反応をしてくれることも稀にあるので、ブログを書くだけで、
「あー今日はもうひと仕事したわ~~」
で満足満足です。
さあ、今日もブログで威勢のいいこと書いたぞ!
次に同じようなことを、思い出したら書こうっと!!
あ!社内に向けてもこのテンションで長文メール打とうかな!
【勘違いポイントの解説】
よくよく読むとあいまいでボーンヤリしているし、「~~しました」ではなく、「~~していきます」というこれからの宣言型なのも、本音が出てしまっています。
当たり前とは??徹底とは??
はっきり考えていないから、イマイチ不明瞭な表現が出てくる。ブログで吠えるだけなら、アナタでなくともできます。
ブログ記事を書く人にとって、ブログには日記の要素が含まれます。
日記に、
「今日は肺呼吸をしましたー」
「マバタキを複数回しましたー」
と書く人はいるでしょうか。
いないですね。いるかもしれませんが、想像つきません。
なぜなら、当たり前すぎて意識しない情報だからです。
肺呼吸の仕組みや、マバタキの時間帯別の回数や、アニメのキャラクターがどの瞬間にマバタキをするかなど、深めて書いてあれば、まだ読者さんが読みたくなるかもしれません。
改めて書いてアピる!!=そのジュクにとっては当たり前になっていない!
(…でないといいんですけどね~)
塾のブログはお客さん集めのポジショントークです。
良いことは切り取って、最悪の場合盛って書く社も知っていますし、悪いことはできる限りスルーしたいはずです。
有益な情報を、損得勘定なく提供&共有する親切ブログなどございません。
ただし、鼻息が荒いだけでは治まらず、行き過ぎて誇大広告になってはウソつきです。
こんなジュクは存在しない、というか、不運に存在したとしても、お子さんと保護者さんにはその「口先だけ」が早々に伝わります。
その結果、存在しなくなるでしょう。
*
知人から教えられて、魁も読んでみた、なかなかインパクトを帯びたブログ記事のあらましを紹介します。
さすがにリンクは貼りません!
・誰にでも見られる情報を、リンクを貼って紹介するならまだしも、ペラ薄いご意見付きで記事にする。
例・公立入試の平均点が公表されました。社会科が去年より~~点上がりましたね。珍しいですね!
(え。それだけ?クリックして損した・・・)
・情報の発信が異様に遅い。
例・~~の話、すっかり遅くなってしまいました。ごめんなさい。
(他塾がひと月超前にその情報を記事にしているのに、こんなに遅く、わざわざ触れた?もちろん掘り下げもない。。。そして、誰に謝っている??)
・朝活&シンプルライフwのアピり&寝てない自慢や、外食のレポ、シンプルの大義の下、材料を使いまわした調理の写真を嬉々として公開。
例・今日は睡眠時間4時間で、朝から読書!昨夜の食材と今朝の朝食はほとんど同じ材料で、シンプルに!
(親近感??インフルエンサーしたいのでしょうか・・。塾のブログでこれは、、どういう誘因を図っているんだろうか。ズボラ男が、雑料理やたまーにやった早起きを自慢してるように見えてしまうが。あ!純粋100%の日記かな!)
青字の部分は、読んだ側の感想に過ぎないんで、本当は(魁ごときには残念にも読み取れなかった)高度な意図が隠され、充実した内情であることを心から願います。
あと!
書いた本人が良いんなら、それで良いと思います!