突然ではなく、予告済ですが、
今回は保護者さんからご相談をご相談受けましての記事をお届けします。曰く・・・
今通っている個別指導塾(結構有名どころ)では成績がろくに上がらないんです・・・。
どうにかしたいと、その教室のマネージャー(おそらく社員)に相談すると、
「では、克服するためには、もっと講師が少人数のコースに切り替え、もっともっとたくさん追加受講してください。
次こそは!この夏こそは!逆転の大チャンスですからね~~ヲホホホ」と営業トークに話が進んでしまって、悩みが解決せず、費用の負担感だけが増していって、期待している解決策が聴けないんです。
いつも、先延ばし+はぐらかされているような気分になって、釈然としないんです・・・。
というお悩みでした。
魁式に先にお答えしますと・・・、
というお返事になります。
さて、
まず、勘違いされている保護者さんが結構いるので、ハッキリ断言しておくと、指導者のレベルが高かろうと低かろうと、”量(つまり指導時間)”は絶対に必要です。
というか、成功を収めるためには「高いレベルの指導での量」が必要です。
日ごろ、よく伸びてくれたお子さん、立派に努力したお子さんの指導の話を記事にすることが多い魁ですが、巧いこと成果を出せなかったお子さんもいます。典型的だったのが、
「週1回90分の指導で、完全1:1の指導なら、うちの子の成績が5科目全部上がるはず!!なぜ上がらないんですか??!」
という、やたらとライトに学習をとらえているご家庭でした。週90分÷5科=18分…?
テスト直前の追加指導のご提案 →渋る。
お子さんの状況に合わせて選んだ問題集の購入 →渋る。
じゃあ、責めてお子さんに学校の教材類を魁の時間に持って来させてください →ない。
教材類の持ち帰りを念押しする →重いので・・・と想定のはるか下の返事。
ここまでくると、家庭教師としてできることはほとんどありません・・・。
本来の日程+回数の中で、指導を完結させるのが筋なので、(よほどのピンチ状態でないと、)魁から日程の提案を押し売るようなことはしていません。
ただし、準備面の非協力ぶりに加えて、「テスト前」とか「受験生の夏休み」にほどほどバランスよく志向に保護者さんが陥っているようでは、家庭教師の魁も勝負のかけようがない・・・。
※どうも以前通っていた個別指導塾で、教育サービス業に不信感を持たれていたそうです。
※しかし、軽々に引き受けた魁も、お子さんと保護者さんを遠回りさせてしまったことは忘れずにいようと、それ以来、申し込み前によーく確認させていただくようにしています。
結論、量は必要です。
ここで、予告に書きました、
y=a×Ⅹ²+b
という数式の登場です。
読者の保護者さんの中には、内心「うへ!数式だって・・・もう忘れたし」と思う方もいるかもしれませんが、中学2年生のお子さんがいる場合、2学期には、y=a×X+bというもっと簡単な「1次関数」を学ぶことになります。
ご自身が習ったのが過去の話とはいえ、お子さんに勉強しろしろ言うのであれば、続きを読むのを断念するのは早いです。(よね??)
この、y=a×Ⅹ²+bの数式の出どころはと言いますと、もしも読者さんの中に勤勉な経営者の方がいれば、予告の段階でお気づきだったはずです。
イギリスのエンジニア、ランチェスター氏が第1次世界大戦勃発時に発表した「ランチェスターの法則(第2法則で、y=a×X²と発表)」です。
ランチェスターの法則は、経営の世界において転用されており、すでに当たり前と言っていい程に有名な、いわゆる弱者の戦略と言われます。
看板が大きく全国に広がっており、資本力のある塾さんは、いかにも強者らしく、このような戦略の内容を気にされず、ドシンと落ち着かれて横綱相撲を御取りになればよい。
しかし、魁の場合は、圧倒的な弱者としてスタートするために、開業にあたって浅薄ながらいくつかの素敵な書籍を読み、脳を使わないと土俵にも上がれません。
魁が学生時代、「(旧)経済学部経営学科」だったことも経営の書籍に手が伸びた理由の一つでもあります。
詳細はいずれ記事にて紹介させていただくとして、その書籍の中で、y=a×X²+bというさらに真をついた考えを目にすることになりました。
手短かに、学習になぞらえて魁もこの数式を転用しますと、
y=a×X²+b
- y =成績、結果、学習効果の実感(→保護者さんの満足度)
- a =作戦、方針(お子さんの素質に対する、指導者による指導の作戦立て)
- X=努力する時間(2乗になるのは、状況が整ったときのみ)
- b=指導者の過去の経験の蓄積
と表現できます。
大人たちの職場に例えるなら、上司や経営者がそもそも思い付きで頓珍漢な方針(a)を立てていたり、社員が一言で表すならMr.ムノーさん達であれば(これもa)、時間(X)をかけてもかけても成果(y)が低い値でしか出ず、内心お互い「お前のせいだ!(経営者のせいだ!上司のせいだ!社員どもが無能だからだ!)」と見下げ合っているような「ブラック企業」ができてしまうのではないでしょうか。
もちろん、「今までのおれの経験上」「私の頃は・・・」といった現状に役立たずな思い出話(b)がさく裂し、時間をさらに奪い、混迷します。
(b)はいわゆる「付加価値」にあたります。
よって、経験が浅く届けられるものが少ない塾ほど、代替手段として「無料」や「割引」を連発します…悲。
この記事の本題の勉強においてであれば、(魁がいつも述べる)お子さんの成長力の高さと素質を基に、状態にマッチした指導方針を随時打ち出すことができれば(a)、時間をかければかけるだけ(X²=つまりかけた時間の2乗)、効果(y)を発揮します。
指導者が過去にすがったり、以前に担当したお子さんのケースと当てはめて今のお子さんを見さえしなければ、経験が長いだけ安定した指導ができます(b)。
で、
ここで、初めに保護者さんからご相談のあった個別指導塾においては、
y=a×X²+bのうち、
a(方針)を作る能力が
圧倒的に欠けている!
から、というより「ほぼ把握できていない(悲劇ですが)」から、かつ「方針を立てることをまともに考えたことがない」から、
たくさん受ければ、
何とかなりますよ~~
(とにかくX=時間を!)
という解決策しか返答が来ないのです。
しない、というよりできない(そもそも認識できない。そういう項目が思考にない)。
もちろんX(時間)に2乗がかかることもないです。
なんでやねん!プロじゃろうがあ!と言いたくもなると思いますが、それも無理からぬことです。
間違いなく、そのマネージャーさんは指導の現場にまともに入ったことがないのです。(フツーによくありますので)
じゃあ、誰が指導をしているかと言えば、学生バイトさんです。
学生バイトさんの中にも、実際素晴らしい熱意や才能を持っている人がいて、現在幸運にも魁は何人も面識を持つことができています。
しかし、私が知るような方は明らかに少数派です。
どうしたって本業(プロ)ではなく限界があります。
指導経験があっても、バイトとしての頻度で3~4年程度でしょう(薄いb)。
中学~高校の内容なんて自分は解けるから教えられるという勘違いもあります(お子さんのaへの偏見)。
学生バイトさんは誰の研修を受けている?指導経験のないマネージャーさん(b≒0)か先輩バイトさん(薄いb)のです。
その塾内で出来上がった、「お子さんの素質」「お子さんの状態」「お子さんの成長性」の分析は、果たして的を射ているのでしょうか?
不十分な研修やマニュアルを基にお子さんを担当させられている学生さんは、的確な所見をマネージャーに上げられるのでしょうか?
メンドイことも細かいことも手落ちはないのでしょうか?
マネージャーは、その学生さんが上げてきた報告を正しく読めるのでしょうか?学生さんが誤っていたら見抜き、解決方法に迷っているときに改善案を導く知恵があるのでしょうか?
・・・ま、それができていたら、その保護者さん(もちろんお子さん)が途方に暮れるような事態は起きませんよね・・・。
これは想像ですが、学生さんが拙いながらに懸命に上げてきた報告類を、ただ鵜吞みにしているから起きている結果だと思われます。
*
お客さんA
「なんか、このお刺身、少し傷んでいるような気がするんだけど・・・?」
飲食店
「もっと食え!もっと食え!お替わりいかがですか!!?」
お客さんB
「車が欲しいんですが・・・」
営業マン
「これなんかいかがでしょう??(おれは運転免許はおろか、車を運転したことすらないけどね!)」
患者さん
「あのーこの薬、飲んだら調子が悪くなってしまって・・・」
病院
「(うちの医院、担当しているドクター、みーんなペーペーなのよねえ~。でもま、きっと平気よ)はーい。同じ薬を追加で処方しますねー」
信頼できる飲食店さん、車屋さん、お医者さんなら、調理人も接客係も、セールスマンも技術者も、受付の人もドクターも、それぞれ十分な情報や経験をもとに時間を取って説明して、安心感をくれます。
いくら保護者さんが悩みをぶつけても、追加受講ではぐらかすようなマネージャーさんは、その逆で乗り切ろう(あるいはそれしか思いつかない)としているわけです。
保護者さんも、上の3つの例で挙げたような相手に、真剣に悩みを語っていることになります。
だから相手を間違えている!と指摘するわけです。
お子さんのことが程々でよいなら。
いい店でなく、チェーン店のメニューでご満足なら、現状維持のそれで続ければいいと思いますが。
とはいえ、
塾側が何を答えるべきか(=保護者が何を問いただすべきか?)というと「現状と対策」に他なりません。
しかも、即答です。
講師に聞いてからまとめてお答えを~モゴモゴ的なはぐらかしが来るなら、お子さんが雑にみられている証拠です。
ちなみに、「どの問題はできて、どの問題はできない」程度の一見して保護者さんも明らかにわかるような内容は、「現状」の報告ではありません。
また、よく魁は保護者さんから「何をしてあげたらいいですか?」というような、簡易な解決策や勉強の工夫法を尋ねられることがあります。
そのマネージャーさんが、指導経験(b)が0に等しい人物と考えると、その手の質問への解答はほぼ期待できません。
でしたら、せめて「お子さんがどういう状態で、どうすれば解決するのか」をいつでも即答えられる程度ではあって欲しい・・・。
しかし、恐らくそのことすら視野にないのでしょう。
だから不安な点と嚙み合わない。
よって不幸の増殖が起きていると分析します。
そのような状況であれば、魁に!などとムシのいいことは書きませんが、別の塾(できれば指導スタイルが違う塾。個別が×→集団塾に相談等)に話をぶつけにいくのが次への道です。
いずれにせよ、「教材」「コース(指導人数)」「指導回数」でしか対応しないスタイルの塾の場合、そこにさらに相談しても不幸が増殖するだけです。
*
魁は、小塾時代にプレイングマネージャーを経験できて、大変だったけど今は役に立てられると感じています。
「お子さんへの指導対応」「保護者さんへの報告対応」を分けたら実感をもって話せるわけがないし、保護者さんから何を聞かれているのか???なので、答えようがないです。
授業を見て回る(笑)程度で何がわかるか?と言ったら何もわからないし、頓珍漢な指示しか出せないでしょう。
お子さんの理解・意欲の機微がサッパリわからないか、浅い観察の思い込みが発生します。
保護者さんのその日限りの授業参観や、学校の校長、教頭、あるいは教育委員がチラっと授業を見て、日常の実態を把握できるのでしょうか?
たまーにしか観に来ない相手なんて、お子さんからも講師からもいくらでも実態を誤魔化せるのです。
魁の幼少の頃、業界№1の知名度と集客を誇っていた塾がありました。
(高松市にもあるので、わかるようには書きませんが)そこは時代とともに、確実に合格実績、塾生数、もちろん評判ともに劣化+衰退の一途を辿っています。
その衰退は色々な経緯があってのことなのでしょうが、「授業を担当する講師」と「保護者対応をするスタッフ」が別であることが一つの特徴の塾です。
どんなに精密な報告を上げても、人を介する間に情報は伝言ゲームのように変容します。
ましてや認識や実感、知識が大きく異なればなおさらです。
いわんや、学生さんと指導歴のないマネージャーをや!
魁が望むのもおかしな話ですが、高松市のあの塾この塾の各社さんがもっともっと内部の育成に時間と予算を割き、スタッフのレベルがもっともっと向上すれば、こういった保護者さんの悩みが減っていくはず!
ぜひ!今のように疎かにしたままでなく、改善に取り組んでほしいと願うものです。