怒る+叱るの仕組み
叱るという行動には、大きなエネルギーが必要です。
相手をお子さんに限らなくても、叱った後に、グッタリとなった経験をお持ちの読者さんは多いと思います。
一種の興奮状態になって、感情の乗った厳しい指摘をぶつけなければ、お子さんには伝わりません。
しかし、この興奮状態は、実は怒っている側にも確実にダメージを与えます。
興奮して激しい言葉で相手を責めているとき、人間の脳は強い刺激を受けます。
と思うかもしれませんが、感情の乗った厳しい言葉を認識するとき、人間の脳(確か、偏桃体?という部分だと思います)は「宛先」を認識することができません。
例えば、(昔よくいた)怖い先生に、クラスのいたずらっ子がガンガン怒られていたら、自分は悪くないのに緊張したり、無口になったりしたはずです。
また、何の気なく道を歩いているときに急に「危ない!!」という言葉が聞こえたら、自分が関係あるかないかにかかわらず、思わず声のする方向にビクッと反応してしまうのではないでしょうか。
人間が大昔に自然の中で暮らしていた時は、すべての危険情報を認識してすぐに反応しなければ生きていけなかった時代でした。
宛先、つまり「私が」「あなたが」といったことは置いておき、ひとまず
「(なにかしらんがとにかく)やばい!!」
という体勢を強制的に作ることで、人間は生き延びてきたのです。
今でも、備わった本能は昔のままです。
大きな声での厳しい指摘は、自分が発したものであっても聞いたものの心拍数を上げ、筋肉を緊張させます。
(いわゆるアドレナリンという成分が全身を駆け巡っている状態です)
宛先が認識されないから、怒った分、強烈なブーメランを自分にも投げつけているのと同じですし、本能的に戦闘体勢になっているから、終わった後はグッタリ来る・・・というわけです。
目を見て話せばわかるという甘え
かなりのエネルギーを割いて、お子さんがくじけてしまう危険性すらある「叱る」をなぜ行うのかといえば、お子さんを指導し、今より良くなって欲しいというファイトがあるからです。
そして同時に、道を踏み外しかけているお子さんに対して、大人扱いして穏やかに語り掛けても伝わらないからです。
だからこそ、お子さんを止める最後の切り札の出番です。(体罰するような非道な指導者を除きます)
以前魁が働いていた塾の同僚(やや上司)で、
「子どもには目を見てまっすぐ話せば伝わるよ♪」
「私の気持ちは、本能のレベルであの子に伝わったよ♬」
「決して怒鳴ってはいけないよ☆彡」(だから魁くんもそうするように)
と、訳知り顔でキレイな言葉を並べるセンセーがいたのですが、見事にお子さんたちになめられていました。
そしてフィードバックができないタイプなのでしょうが、その講師本人が結局授業のコントロールが効かなくなって、大声で喚いて怒り散らしているのを見て、ため息がでたものです。
(もちろん、その叫び説教の仕方は0点でした)
要は、その人物は勇気を出してお子さんの怠惰を質すということから、単に逃げていただけだったわけです。
というか、お子さんはお子さんです。
お子さんを大人扱いして・・・という発想自体がお花畑的なサボりです。
そして、彼一人が損するならともかく、彼がサボったことにより収拾がつかなくなった受講生たちが損な時間を過ごすことになったのが、最も許されざるポイントです。
説教はしない、させない・・・という塾の校舎責任者は多いです。
彼らが叱らないのは何かの信念があるというより、「疲れる」「後がめんどい」「甘くしててもなんとかなる」というのが本音です。
叫んでばかりの指導者の愚
では、魁式の叱り方の手順を紹介していきたいと思います。
まず、項目は以下の通りです。
- お説教は計画的に
- 何を伝えたいのかシナリオ作り
- 一瞬に全てをかける
- 10分以内に収められなければ、ただのウザカラオケ
- 10分で何を話すのか
- どうぞ、帰宅したら保護者に言いなさい
次回詳しく説明します!
(つづく)