突然ですが、お子さんを効果的に叱るにはどうしたらよいのでしょうか?
- 「うちの子、怒られ慣れていないんです~」
- 「撃たれ弱いので、褒めてあげてほしい」
というご家庭を目にすることが増えてきましたし、学校も塾もトラブルを恐れて叱ることから逃げているケースが多いです。
- 「叱るなんて時代じゃない」(後から保護者に説明がめんどい)
- 「塾生の成長を信じて待とう」(自分キッカケで塾生が辞めてしまったら、自分が上司に責められる)
という、魁からすると???なガッカリコメントが塾の内部から、実際聞こえてきます。
叱られて嬉しいお子さんはまずいませんので、「あの塾コワイ!もうヤダ!!」となる危険性も帯びているのは確かですが、教育サービス側(塾などのスタッフ)が叱ることから逃げていると、結果、定期テストや入学試験などの期限付き目標に到達できないことが9割です。
というか、叱ることには技術と勇気が要るので、叱れない大人はそこを研究していないのです。
「このままでは・・・」の先にあるものは
ちょうど昨日(月曜日)いっぱいで、高校生を残して中間テストの指導が完了しました。
おそらく半分以上のご家庭では、なかなか試験勉強の準備にエンジンがかからないお子さんにヤキモキしたと思います。
・・・ゴールデンウィークはゲーム天国。「テスト発表」があってからスタートででいいじゃん!など。もちろん遅いですが。
魁では3週間程度前から試験モードで準備を進めていましたが、その中で
「このままではいかん!」
と判断し、ご家庭のリビングで近所迷惑ギリギリ限界突破レベルの大声で、担当して2か月のお子さん(中学生男子)を叱ったことがありました。
持てる説教テクノロジーの全てをぶつけました。
元から甘えん坊と伺っていたので、叱られたことで
「もう魁は契約解除!」
となることを覚悟しての試みでした。
結果、契約解除にはならず、人生で一番努力して中間テストを受けに行きました。(今頃試験が終わって、切り替えてノンビリしていると思います。)
さて、キレることが習慣化している特殊な人間を除いては、叱ることには大きなエネルギーが要ります。
大きなエネルギーが要る行動を起こす場合、人は「強い動機」が必要です。
誠実な人間であれば、好きな人に想いが募る(=強い動機)から告白(=エネルギーが要る行動)をしますし、人間関係がこじれた場合、憎しみ(=強い動機)が嫌がらせや犯罪行為などの攻撃(=エネルギーが要る行動)を呼びます。
今回、魁はその男子を叱るにあたって(このままではいかん!)と内心思ったわけですが、何がいかんのかというと、このままでは「この子が不幸になる」という表現が一番ピッタリ来ます。
教育サービス業は点取りサービスであり、思いあがってお子さんの人生に土足で踏み込むのは完全な越権勘違い行為です。
ただし、ここで叱っておかないと、
- 勝負時に努力ができない子
- 大人をなめた子(大人を尊敬してほしいのでなく、この先出会うだろう大人から素直に知識を吸収できなくなる)
- 結果、テストで点が取れず、目の前の目標を逃す子
が出来上がります。その確率が高まる。
お子さんですから、成長力があり、いつか改善するかもしれません。でも、それが遠回りになったり、取り返しがつかなくなっては明らかな「不幸」です。
魁を選んで依頼いただいた以上、そういう状態にお子さんが足を踏み入れているのが、単に
超嫌です!
それが魁の動機で、未然に防ぐためにフルパワーで叱ります。
それ、あなたである意味あるんですか?
- 「おしいねー、少し良くなってきたよ~」
- 「指導中はいいけど、家で宿題をまじめにできたら変わるのにね~」
- 「本気になればもっと点が取れますよ~」
など、褒めや慰めを盛んに口にする業界人もいます。
が、気力・実力ともにお子さんが明らかに試験に間に合わないのが見えているのに、この手の言葉しかかけない塾だとしたら、「勇気がない」「ウソツキ」「お子さんの出来を見る目と心がない」のいずれかでしょう。
もちろん結果は出ません。
保護者さんの期待に背いて、次こそは~と言い訳するか、「うちの子が悪いんで・・・」という保護者さんの善意に甘えることでしょう。
シリーズにします
本当に書きたいのは、叱り方の技術「説教テクノロジー」についてなのですが、今日の指導に出る時間ですのでここまでとして、続きを次回の記事にします。
急激に喚いたり叫んだりの行動をとる指導者は、叱っているのでなく単にキレているだけで、自分の感情を開放して一時的にスッキリしている、まあ、限りなく動物に近い存在です。笑。
そういうんでなく、お子さんに効果があり、「もうヤダ!」となる確率が低い叱り方の仕組みを、実例を挙げつつ述べる予定です。
(つづく)