いい塾では、「ちゃんとやれ」「しっかりやってこい」という言葉が使われません。
ちゃんと、しっかり、ていねいに…(国文法でいう、副詞や連用修飾語です)
聞こえはいいのですが、お子さんからすれば何をどうするのかさっぱりわからない。
いわゆる「響かない言葉」です。
お子さんのことを観察する能力や、向き合おうとする意思がないので、そういうボヤーンとした言葉が出てくるのです。
では、どうするか。
①期限、②方法、③タイミングが明確に指導できて、なおかつ繰り返しチェックできていること。
①期限=いつまでに (ちなみに、来週までに〜は緩慢です)
②方法=何を使って (どの教材の、何を見れば良いのか、どこに線を引くのか、、)
③タイミング=1日のうちのいつやるのか (休みの日、脳が一番元気なのは朝です)
これを一度限りや三日坊主ではなく、微調整しつつ継続することです。
指導側も気構えが要ります。
どんな難しい勉強も模倣=マネから始まります。
土台となる見本を示せないで、ちゃんとしっかりていねいに!はないですよね。
ご自分のお子さんに対して、「ちゃんとしっかりていねいに」を使ってしまっている保護者の方は、ドキッとされるかも知れません。
残念ながら、その言葉はお子さんに届いていないです。
(低学年のうちはいいでしょうけれど、自我がはっきり形成されてきた時期に言っても、喧嘩の引き金になるだけですね)
保護者さんにできるのは、ーしなさい(命令)、ーするのはダメ(禁止)でなく、情報提供です。
高校のパンフレットを置いておくとか、目につく位置に都道府県地図貼っておくとか(トイレの壁が代表格ですね)、情報の探し方については、お子さんより保護者さんの方が上手ですよね。
ヤキモキするので、完全に情報提供のみに徹するのは辛いですが、お子さんの自立を夢見て、減らしていきましょう。
黙って行うのがポイントです。
通常、塾には季節ごとに面談がありますね。
季節講習やプラス講座を売りつけられるイメージがあるかもしれませんが、保護者さん側も思う存分攻勢に出るときです。
「ちゃんとしっかりていねいに」で、お茶を濁す程度の校舎の責任者なのか?
いつまでに、どうやって、どのくらいというビジョンをお子さんと共有できているのか?
お子さんと話した、でなくて保護者さんにも明確か?
現実的か、前回の面談で話した約束を誤魔化していないか?
塾側が使う「ちゃんとしっかりていねいに」を、心の中でカウントしてください。
真剣に選んだ塾(プロ)なら、保護者さんがうっかり使ってしまう、「ちゃんとしっかりていねいに」と同程度のことしか言えないわけがないはずです。
・・・今まで魁が出会ってきた塾業界の珍人物たちは、それらのオンパレードでしたけど。
言われた塾生たちの途方にくれた感じを見たくなくて、魁は、ちゃんとしっかりていねいに、にプラスして、がんばりましょう!がんばれ!も使いません。
(前者はここまで書いた通り。がんばれ系は、他人事だからです)
上司や経営者が、「ちゃんとしっかりていねいにがんばれ云々」という言葉を振りかざしてきたら、内心AFOちゃうか?と思わざるを得ないのと、お子さんも一緒の気持ちです。