突然ですが、
この2025年2月末で当塾を閉めることになりました。
と書かれた、いわゆる「とある塾さんの閉校のあいさつ」が、Googleの検索候補に急に出てきました。

個人塾の発信でした。
魁としては、同じ自営業者として一瞬ドキッとしたと同時に、
「同じ道を辿りたくないから、自身へのフィードバックのために読んどくか」
とその候補をタップすることにしました。
何のためになのか??
一人の傍観者として、その記事を読み進めていますと、何とはなしにその閉店する塾の代表さんの発信内容に違和感を感じました。
が、違和感があるものの、自分ではうまく言葉にすることができなかったので、信頼できる同業に顛末を伝え、その記事をパスしました。
すると素早く的確な感想が返ってきました。
「自分が主役のヒトって、こうなるよね」
まさにその塾が閉じることになったであろう、中核を突くひと言でした。
それと共に、「自分が主役」がピタリと当てはまる、これまでに目にしてきたアレらコレらの存在を久しぶりに思い出しました。
サービス業とは
塾業界の経営者、人材に特にビックリするほど多いケースで「そもそもサービス業に不適格な心のニンゲン」がいます。
それをはっきりさせる言葉は、「誰を喜ばすのか」にあります。
読者さんはYouTubeをご覧になると思います。
この魁も、ラーメンを紹介するYouTubeチャンネルを見ることがあります。
その中で最近、はっと目に留まったのが、千葉県柏市の人気店・王道家さんです。
日本人が超好きなグルメの代表格がラーメンで、そのラーメンには地域や味によって多岐にわたる種別がある中に「横浜(家系)ラーメン」がありまして、強い人気を誇ります。
高松市には、奇跡的に総本山直系のお店があり、いつも行列が絶えません。
※恐らく直系ではない、亜流のようなお店も数軒あり、食べてみると天と地の差があるので、注意が必要です。(多分スープの基本から違う)
王道家さんも、その総本山で修行された社長が経営しています(経緯があって、「破門」になったようではありますが)。

さて、YouTube「王道家」には、その清水社長自らがチャンネルに出演しています。
いかにもラーメン屋さんというパワフルな見た目に、ガラガラした声、時に部下を「おまえなーーー!!」ときつく叱りつける迫力をお持ちで、オラオラ系の印象の方ですが、口にされるコメントは、朴訥ですが簡潔で、魅力的で的を射ています。
そして、いわゆる強いキャラクターをお持ちのこの社長さんは、次々と店を出しては大行列の人気店を作っている「圧倒的に強い、結果を出す」経営者です。
(この社長さんの振る舞いを上っ面だけ真似しようとする、ただのブラック経営者が吐いて捨てるほどいることでしょう。)
たくさんの情報を発信しているので、すべての動画を見るのは骨が折れるし時間が必要なことです。
多くの動画の中で、随所で清水社長が発する言葉は、「お客さんを喜ばせたいからさー!」です。
これこそがジュクノヒト(今回の潰れていくジュクノヒト含む)に全く欠けている精神です。
彼らは何より「自分が喜べればそれでいいや~~~~」と思っていますし、言動からその本音がわかるような程度の人物ばかりです。
冒頭に紹介した「閉塾のあいさつ」には、
自分がどのような苦労をして開業&経営してきたのか?
今どのような気持ちか?
今後どのようにしていきたいか?
かかわった人にどう感じてほしいのか?
という、自分ガーの言葉が綿綿と書き並べてありました。
しかし、なぜだかここまで通ってくれた塾生に対する言葉が「書いてあったっけ??」という比重でしか載っていなかったのです。
これで思い出すのは、魁が大学時代にかかわった演劇サークルの、年齢的に1~3年程度センパイだった人たちが就職を蹴り、勢い込んで劇団を創設したできごとです。
案の定、数年も経たずにとってつけたような理由であっさりと解散しまして、彼ら彼女らの中ではいい思い出になっていることでしょう。
(メンバー内での浮気が!裏切りが!とか噂を聴きましたが、結局はお客さんが入らなかったからというのが現実だろうな…)

その分裂解散劇団のホームページを、ずいぶん後になってから魁も閲覧してみますと、「そりゃあ消えるよな~」と感じざるを得ないお粗末ぶりでした。
あいさつの文言全般も誠意とセンスに欠けるのですが、わざわざ足を運んでくれたお客さんへの感謝の言葉がなく、「自分たちは!」「自分たちにとって!!」という役に立たない心情の説明がこれまた綿綿と(そしてメソメソと)書かれていたからです。
その滅んだ劇団の中核にいたある太りきった人物の口癖が「身の程を知れ」で、高圧的に周囲に言いまわってたそうです。
まさにソイツが身の程を知った結果になった、因果にして失笑な一連でした。

今回の滅びた塾さんと、20年前に魁のセンパイたちがやらかした滅びた劇団の一致点がその「自分中心」の発露なのは、奇妙ですが思わず納得できます。
同じ「志の錆び方」を感じられます。
お客さん不在というか、経済活動であるという基本認識が備わっていないのです。
自分が!自分たちは!!という「見て見て!!」のにじみ出るジュク営業だったから、どこかでお子さんと保護者さんに「違う」と判断されたのです。
脚本のセンスのなさや、演者の技量不足ももちろんですが、「お客さんではく自分たちの喜び」に目が向いた劇団運営だったから、身の程を知ることになったのです。
*
魁が見てきたジュクのニンゲンには、身の程を知らないという意味では、「センセイ」と呼ばれてしまって勘違いして、どうにも特権意識のような根拠のない優越感を抱いている者どもが悲惨なほど大量にいました。
今回ラーメン屋さんの話を引き合いにしましたが、飲食業を見下すような発言をしているヤカラもいました。
「ゲシュシュシュシュ…(変な笑い声)ボクはもし、この塾を廃業したらビストロでも開こうかなーと思っているんですよ、それでも魁さんは雇われてくれますね~~?」
二重三重の意味で、ガッカリさせてくれる人物で、
まず「廃業して逃げようという、その程度の想いでお子さんを預かろうとしている」、
次に「飲食業を見下した目線のまま、ビストロ(打ちながら笑ってしまう!!)程度ならやれるとなめた心でいる」、
最後に「その発言をする前から離れまくっていた魁の様子に気づかず、なおかつ冗談でも自分(ごとき)に付いて来てもらえると思って、最後の問いを発している」、
という醜い(心の)様子に何と受け流したのか、魁の記憶が飛んでおります。
高学歴を毎日の朝礼で30分は自慢していましたが、この学歴自体も詐称なのではないかという噂が立っていました。
ウソをつき続けているうちに、だんだん本当のことのように錯覚してきて、また引き下がれなくなってしまった人というのが実際のオチなのかもしれません。
(言行や人格を振り返ってみても、魁もその方が得心できます。)
そしてまさに「自分を喜ばす」ことに全力を投じている醜悪な救いようのなさでしたし、そのような人物の提供する授業であろうと、料理を口にしようとするお客さんであろうと、永遠に現れることはないでしょう。
