突然ですが、
お子さんを指導している際に、指導者はどこまで「解答・解説」に目をやるべきなのか?
についてです。
経験の浅い、あるいは自信のない講師は一目でわかる通り、あるいは経験を積んだ講師であっても怠惰な考えをする者は、問題集に付録されている、
「解答・解説」
をチラチラチラチラ見ながら指導を行うことがよくあります。
自分自身は答えが見えているが、お子さんはそうではない状態で指導を進行しようとします。
楽だからです。
お子さんが「答えがわからない、見えない状態でどう動くのか?」を導くことが仕事なのに、何を伝えるというのでしょうか?
学生バイト講師ですと、かなり経験を積んだ(はずの)担当者であっても、
「解答に付記されている解説を音読しているだけ」
つまり、「一定の間隔で解答の冊子を読み上げるだけ」の「音読のために座っている人」であることがフツーにいます。
これは経験不足であり、なおかつ準備不足が起因しています。もちろんお子さんの「答えなしでの解答能力」が高まるような指導になりえません。
それがいいか悪いかすら、判断できない能力レベルの現場マネジャーもザラです。
*
魁には(今はもうしませんが)失敗の体験があります。
地元の小塾時代に校舎マネジメントの業務で授業の準備が浅くなり、
「答えをチラ見どころかガンガンガン見!!!」
しながら、教えたことがあります。
そうすると、お子さんの目線に立っていませんし、自分の思考が「いかに(すでに見えている)解答に合わせてしゃべり、答えにこぎつけるか??」に集中していくので、おろそかな、チグハグな指導になります。
当然、担当しているクラスの成績は伸びなくなります。
「解答&解説を見過ぎ」ということに当時は気づきませんでしたが、ある時、
「そうだ!!もっと本気でやればいいんだ!!」
という、ある意味当然の、当時に言葉にするとよくわからない気づきを得た後、その同じクラスの指導がスムーズになり、熱意がこもり、強烈に上昇させることができました。
その中で、自然と「解答&解説のチラ見やガン見」はなくなっていきました。
*
しかしまたある時、
「解答を確認するなんて恥だ!おれは経験を積んできたし、一切見なくても正解できる!」
と勢い込んで指導を行ったところ、ふとしたタイミングで「解答」を確認すると、一つの見落としから、ズルズルと2問、3問…!!と誤った説明をしていたことを自ら発見し、慌ててお子さんに謝り、訂正したこともあります。
自信過剰?あるいは極端に意地を張った状態というのも、お子さんに損な時間を過ごさせてしまう原因になると思い返します。
当時は校舎から「何をGETして帰宅させるか?」というテーマを考えて授業内容を組み立てていましたが、今は「何を置いて退散するのか?」を考えてお子さんと相対しています。