突然ですが、
久方ぶりに憤ったひと言がありまして、今回はそれについて記事にします。
(少々、マグマ的感情 が出るかもしれませんので、できる限り事実をメインに書きます・・・)
発端は、この高松市にもいくつか店舗を展開しているやや看板の大きなジュクを辞めたお子さんを、魁が担当することになったことです。
以前に通塾 or 家庭教師の経験があるご家庭をお相手する場合、これまでの指導について極力情報を出してもらい、魁の指導方針とミスマッチにならないか?確認を行います。
これまでのことを聞きますと・・・、
指導がお子さんに合っていないのがわかったし、お子さんもその指導担当を嫌がっていたのが明らかだったので、お母さんは何度となくその塾のマネージャーに相談しました。
しかし、
「ウチの講師の中で最高の講師ですから」
の一点張りで、ズルズルと時間だけが過ぎていったとのこと・・・。
「最高の講師」であれば、指導技術が卓越しているはずで、そのうち結果が出るはず・・・というご両親の思いも空しく、想像をはるかに下回るまで成績が低迷しました。
我慢にガマンを重ね、学期末の成績表を見てたまりかねて相談したお母さんに、そのマネージャーが言い放った言葉が、
「お宅のお子さん、何らかの先天疾患を抱えていると言われたことはありませんか?」
だったそうです。
その瞬間のお母さんの思いについては、魁は直接お聞きしたので、ここで改めて書くものではありません。(私が差し挟んで記述することがありません)
魁が気に入らないのは、自社の指導力が足りないことを、何らの資格もない塾業者ごときが「お子さんの気質に責任転嫁しようとしていた」という思いあがった姿勢です。
塾は、お預かりしたお子さんをいかに伸ばすか?保護者さんの想いに応えるか?が使命であって、わかったような顔でお子さんの状態を規定することは全く頼まれてもいないことです。
然したる根拠もなく、「指導しづらい=お子さんに問題があるはず」とした方が、そのジュクとしては楽チンだったのでしょう。
*
改めてお預かりした魁としては、「最高の講師」がどんな指導をしたのか知っておく必要があります。
保護者さんへの指導記録を見せてもらいました。
(書面の指導記録があるだけマシで、何も開示しないで面談でペラペラ話すだけのジュクは未だに存在しています…)
6月25日「今日は計算をとことんやりました」
言葉を失いました。(↑これで、まだ要領を得た記述です)
これは?
これは何の報告なのでしょうか?
「とことん」というのは、通常に比べて何がどの程度なのでしょうか??
計算と言っても、四則様々ありますが、どれでしょうか?
ご両親が知りたい情報・ご両親に見せたい情報ってそんなん?
お子さんはどこでつまづき、どこが良かったのでしょうか?
1学期間も継続して指導すれば、長短も成長も見えてきます。
そこに目はいかないのですか?
それとも見る能力がないのですか?
無価値!!!
この圧倒的に無価値な短文が「あの塾の最高の講師」とやらの成果物なのか・・・。
以下仮説です。
- 「最高の講師」というのは、ただ単に経験年数が長い(あるいは単に年齢が高い)だけで、自分のやりやすい指導をお子さんになすりつけていたのではないか?
- 「お子さんに変化を強要し、自分はドッカリ座ったまま」というスタンスの指導では、当然お子さんに合わず、反発されただけなのではないか?
- それでは、「自分の理想」をお子さんに着せて、可能性を握り潰す毒親と同じではないか?
- そうならないようにと願って「プロである他人」に依頼したご両親につけこんで、殿様商売する姿勢はあり得るのか?
- マネージャーは、お子さんと保護者さんの苦しみに目を向けず、「最高の講師」の言い分を鵜呑みにしてマニュアル対応しただけではないのか?
(疾患云々の対応は、マニュアルによるものではなく人災と思われるが、現場を理解する能力があまりにもなさすぎる) - 実りのない時間、あるいは実りがあるのに発見する能力がない程度の指導しかできないから、あの「報告文」なのではないか?
- その結果、「自称プロから実質否定され、ただ勉強が嫌いなお子さん」が作り上げられてしまい、可能性を閉ざす寸前だったのでは???
ジュク業界には、「こんな時給じゃ仕事にならない」とブツクサ言いながらお子さんに偉そうに指導するオバサマ講師や、「何かいいことないかなー」と指導中にウトウトしているオジヤン講師が腰掛気分で居座って、日々コメンテーターしています。
イコール!お子さんの時間を奪い、可能性を握りつぶしています。
そんなとんでもないレベルの講師にあたってしまっても、ご両親としては信じるしかなく、大事なお子さんを預けてきたのではないでしょうか。
そんな人間たちに、
お子さんを託すわけに
いかないじゃあないですか!!
*
そのお子さんが、浅薄なジュク業者から「先天疾患が・・・?」と一括りにされたことは、今お子さんをお預かりしている魁にとって、元来考えるような範疇のことではありません。
そういう視点のことはお預かりするお子さんに対して今まで考えたこともありませんし、判断できるような大それた立場にそもそもおりません。
私自身、経験以外は資格のない人間ですから。
ただ「学力を伸ばす」+「勉強好きになってくれるといいな」との思いで、一緒にその時間をいさせてもらっています。
いやだいやだ!と言っていたテストの点も上がり、魁が伺うとゲタゲタ笑いながら過ごしています。
学校の先生からも、前向きな行動が増えて、落ち着いたと言われたそうです。
勉強に触れているときに気持ちが、そのまま勉強の得手不得手につながってしまう可能性と危険性をお子さんは持っています。
(例:「古文はキライ!苦手!」というお子さんが多いのは、古文を教える教諭の授業がつまらな過ぎるから)
お子さんを変えるのではなく、こちらが変わることはいくらでもできます。
*
冒頭で「久方ぶり」と書きましたが、以前に完全に怒りあきれ果てたのは、地元の小塾時代の卒塾パーティーで、塾部門の責任者を名乗る男が、
「不合格だった子は、運も実力も何かが足りなかったんだと思います」
と卒塾生に向かってトンチンカンなスピーチを行い、せっかく慰労されているはずの新高校1年生たちの顔が、その一瞬で、頬を打たれたように影を帯びたときです。
もちろん、前段には「合格した子はおめでとう」と高らかに言っていますので、より悪質です。
同僚たちの間で、「やつの責任逃れスピーチのせいで、10%は入塾減った」と嘆き+失笑が起き、同時に憤懣やるかたなかったです。
足りなかったのは、
当時の私たちの指導力と
それを率いるべき立場にいたその男です。
前にも後にも、お子さんたちは
何ら気に留めることはないのです。