この12日まで、各学校さんでは感染防止のために、時間割や授業運営にそれぞれ措置を講じていますね。
魁が担当しているお子さんでも、
- お昼まで学校に行ったら帰宅!時間割は随時発表!(時間割表が存在しないのが恒常化)
- 全面オンラインで実施!
などです。特に前者はお子さんにスキを与える!(後者も学校さんによっては、サボりの温床になってしまうのですが・・・)
9月下旬から随時始まる中間テストまで意外と時間がありません。テスト範囲が「狭く+深く」なるのが予想できますし、お子さんは日中から家にいる!!
(ほっておくと確実にスマホとゲーム天国ですね。自習なぞ夢のまた夢。)
ということで、保護者さんと相談の上で早い時間からお伺いして、先週から中間テスト対策を講じているところです。狙い撃ちしやすいです。
マイペースな男の子ですと、自身の日程の把握もマイペースなので、
「また来たんですか?!」
と半笑いでマイペースな反応をされます。はい。また来ました。ドシドシ勉強ですぜ。
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突然ですが、保護者さんから自然に出てくる言葉で「これは強い。伸びる。」という強い可能性を感じるものに、
「この子に任せてるんで」
というひと言があります。この夏休みを経て、ちょうど2つのご家庭でこの言葉を聴きました。
魁のような他人が、お子さんを伸ばしたい!と思う気持ちより、保護者さんがお子さんに伸びてほしい!!よい道に進んでほしい!!という気持ちは、何兆倍も強いものです。
だから、保護者さんとしては心配で堪りません。
「あれは大丈夫か?これをした方がいいんじゃないか?」
とチヤホヤ手出しをしたくなるのが親心ですね。
お子さんの成長というのは、結構急激で、まっすぐ右肩上がりに伸びることはまずありません。
あるタイミングで「知識の洪水がダムの押さえを破ったかのように」動きが良くなります。
※ここまで書いて、かつて見た塾のスタッフで「ブレイクスルー」という言葉が気に入った者がいて、「ブレイクスルーするのでは」「われわれはブレイクスルーせねば」などと連発して上滑りをしていたのが滑稽に思い出されて、フッと笑ってしまいました。横文字に踊らされるとはまさにこのこと。コメンテーターか。
私は多くて数日に1回、週1回の指導なら7日間で1回のペースで、お子さんと1:1で指導時間を過ごしますが、さる高名な武人が述べたという言葉、
「3日会わなければ刮目して見よというが・・・まさにそれだ!」
と内心驚くほど、反応や取り組みが伸びることがあります。(そのタイミングまで待ちきれない保護者さんもいれば、そのタイミングをアシストできない塾業者もいます)
願わくはその「めっちゃ伸びた瞬間」を魁も目撃したいのですが、今のところ「会ったら伸びてた」ことしかありません。
「この子に任せるんで」が自然と出てきた保護者さんは、うらやましいことにその「めっちゃ伸びた瞬間」か、伸びた後すぐの姿を見たのだと思います。
お子さんのその様子を見たからこそ、「ここは見守ろう」と心配で堪らない気持ちを一歩グッと抑える心境と行動に至ったに違いないと、保護者さんとお話ししていて心に残りました。
類義語で、以前記事にしたように、塾に向かって「プロにお任せしてるんで~」という発言が出るのはダメなケースです。
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「塾=教育サービス業=点取りサービス業」において、言葉を選ぶということはとても大事なことです。贅肉部分を取って考えたら、言葉を届ける以外にすることがほとんどない仕事だからです。
(啓発本の類に載っている)「言葉を選ぶな」がカッコイイ!そう言い切る俺様カッコイイ!と思い込んでいるお可愛い人もいる業界ですが、たいてい話が超下手です。
「何が求められているのか」「どこに目をやればいいのか」「どう動けばいいのか」を相手がわかるように言語化して伝えることの一点に、教育サービス業の人間が存在する意味があります。
そこを「がんばれ」「しっかり」「ちゃんと」で済ませることは、言葉を届けるうえで価値が低いので、魁はしません。(新卒1年目で気づいて捨てました。効果的に伝えられるようになるまではさらに数年かかりましたが)
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「がんばれ」「しっかり」「ちゃんと」というNGワードに続いて、魁がお子さんの前で使わない言葉に”ケアレスミス”というとても便利なひと言があります。
お子さんの使い方では、「あーここケアレスです。」という感じでしょうか。
このケアレスミスは、お子さんが口に出すのを否定したり遮ったりすることはありませんが、私から
「そうだね、ケアレスだねー」
と返すことはありません。
主に問題を解いた後、特に定期テストなど各種大きなテスト類の後に問題を読み合わせしているときに登場する言葉です。
「ケアレスミス」を口に出す瞬間のお子さんの表情(と呼吸の感じ)を俯瞰してみていると、
「これは(ぼくはわたしは)、その時偶然不注意だっただけで本気でやればできた」
と言いたげなのが感じ取れます。
お子さん自身もそこまで強く「言い訳的に」主張したいわけではないようです。深刻な実力不足が背後にあることも少ないので、その1問の原因追求にギャーギャー時間を使うこともまずありません。
ただし、「ケアレスだった扱い」には、
やろうと思えばできた ⇒ その気になればいつでも対処できるしー
という「なめてかかる心理」が見え隠れします。お子さんもそこまで自覚していないですが、そのままフタをしてしまうので、それ以上得るものはありません。
魁は「その失点が何点あって、それは何問分なのか」記録して形に残しておきます。テストのたびにその記録を突き合わせをします。横文字で気取るとフィードバックというやつですかね。
なぜなら、
その気になれば、、では解決できる日は永遠に訪れないからです。(そしてまたケアレスを繰り返し、習慣化していきます)
ミスによる失点の絶滅!というのが理想形ですが、大人だって余裕でタイプミスや言い間違いをします。大人にできていないことをお子さんに「何うっかりミスしているの?!情けない」と言い放つのは特大ブーメランです。
お子さんにとって、ゼロは難しくても半分に減らすことはできる。
「うっかりだったわー」で流すのではなく、「自分には何点分の伸びしろがある」「前回~でやらかしたから、今回は繰り返さない!」に持っていくことで、勝ちが近づいてきます。
※今回「ケアレス」について思い立つキッカケを与えてくださった、鋭いツイートです。
⇒ゆうた@塾選びチャンネル様(勉強について、非常に的を射た情報を発信されています)
https://twitter.com/k_yuta_z/status/1434121598919872521?s=11