それ、完全に「親の満足」じゃん・・・
先日、塾の社員だった時代の知人たちと情報交換をする機会がありまして、お互い、いわゆる「どないでっか?(調子はどう?)」「ぼちぼちでんな~(何とかやってますよ~)」から指導の技術論まで、数時間話し込みました。(オンラインにて)
その中で最大の盛り上がりを見せた、
「まさに新人類!ガッカリさせてくる親」
のお話をしようと思います。
夏休みの初めの7月20日前後くらいの時期ですと、片や塾側は「さあ!勝負の夏期講習だ!!」と気合が入っていても、お子さんたちがまだ気持ちが乗っていないことも多くあります。
講師側とテンションがかみ合わず、なんとなーく7月中の授業が終わってしまうことも。
たちの悪い塾ですと、職員室で「あの子を叱って他の子に緊張感を持たせよう」などと、運悪くミスをしたり宿題を忘れたりしたお子さんを「見せしめ」にしよう等というたちの悪い会話がなされ、ふとしたきっかけで必要以上に強烈に叱られる・・・というたちの悪い指導方針を取っているそうです。
魁とオンラインで話した彼は、もちろんたちの悪いタイプではないので(魁も教育サービスで話がかみ合う人を選んでますので!)、ある時、お子さんのためをと思って、意を決して、意欲の改善のないお子さんを𠮟りつけたそうです。
すると・・・
そのお子さんは帰宅後に、表では見せない「泣き言(曲解と捏造込み)」をお母さんに言いつけたらしく、それを丸ごと信じた保護者さんが、校舎に直接現れたとのこと。(一言でいうと、怒鳴り込みです)
応対した彼は、誠実に、どういう経緯で、かつどういう意図で厳しく接したのか、丁寧に説明を試みました。その彼の説明を一通り聞いて、保護者が開口一番に言い放った言葉には、思わずこの魁も耳を疑いました。
「うちはとにかく塾に通わせられれば後はどうでもいいんで!決められた時間、テキトーにやっといてくれればいいんですよ!!」
だそうです。
(゚д゚)!?
(オンラインなのに、それを聞いた魁も軽く声が裏返ってしまいました)
そのお子さんを何とか伸ばしたい!このままではいかん!という彼の決意に全力で負けにいっている肉親・・・。
よく、問題集に「適当なものを選びなさい」という質問文末があり、その場合は「最もふさわしいものを選びなさい」という意味合いですが・・・。
怪異なことに、どうやらその保護者さんは、自分のお子さんを「伸ばしたい、合格してほしい」と思って塾に通わせてはいないようです。ようです、というか間違いなく自分でそう言い切っていますよね。
*
じゃあ何のためか?というと、その後聞いた話から見えてくるのは、「とにかく塾には行かせた。後は知らん」という免罪符が欲しいだけじゃん!!いうことです。
受験終了後に「せっかくぅ~、塾には行かせたんだけど~、」という切り出しから、言い訳オンパレードするのが容易に想像つきます。
まさにそのために、一応塾に自分の子どもを「放り込んで」いる。一定の時間、所定の科目を受講し、一定の時間宿題をしてくれればいい。
「とにかく無料自習室に行かせたい!」
「たくさん受講させておけば、まあ何だか安心ね」
というのと同じ”ズレ”を感じます。(自習室の実態については、Q&Aをご覧ください)
絶対ということはないので、魁やその彼の考えが至らないものに過ぎず、お客さんの中に私たちには見えない「のっぴきならない真実」があるのかもしれません。
でも、教育者を気取ってそこまで踏み込んでどうのこうのするのが、「点取らせ屋」である教育サービス業の役割ではありませんし、それこそどうでもいいことです。
「伸ばすためには、うちの子のことお任せします」
「厳しくしてもらって構わないんで、叩き直してやってください」
という保護者さんに、これまで比較的多くめぐり合ってきた魁 & 知人メンバーには、
「テキトーにやっといてくれればいいんですよ!」
はガッカリを超越する、
ニュータイプ
(アニメ・ガンダムシリーズより「宇宙に適合した新人類」の意味)
に遭遇したような経験でした。
お子さんファーストで考えていたら、そういう言葉を選んでしまうことは絶対にないよね~~~。というのが、オンライン会メンバーの全会一致でした。
他人である塾側を下回る熱意を持つ保護者さんが,、今後主流で多数になっていく・・・のではなく、今回が想像を絶する珍奇なケースであったと、魁は信じます。