突然ですが、読者の皆さんの上司や先輩はどんな方でしょうか?
先日の記事で予告しましたように、魁がかつてその人の下で働いたときに
「この人と一緒に働けて良かった」
「この人の指示であれば、苦労しても苦とは思わない!」
と感じた優れた上司のことを記事にします。

ご本人の今の立場もあるので、身バレするようなところまでは踏み込んで書けないのが残念ですが。
さて、冒頭の上司&先輩に関する質問ですが、改めてどう感じていますか?
これに関しては、世間に流れ出る仕事の愚痴(=フラストレーション)の多さを見る限り、「よかった!」「最高!」と思えることはなかなか少なく、上司&先輩の日々の言動を見るにつけ、どんどんガッカリしていくあなたも結構な数いるのではないでしょうか??
世の部下さんたちがお酒の場などで盛り上がる、内心感じるけど普段言えない(=めんどいから)上司への「ないわー」ポイントを魁が集約すると、こんなところでしょうか。↓
- 時間が無限にあると思っている。部下の時間も無限にあると思っている。
- 上司の立場に共感しろと迫るが、部下の立場には共感しない。
- 自分が力なき若手であった時のことを忘れ去っている(or美化した記憶が固定した)
- 「おれんときはさー」「わたしはもう〇〇年この業界やってるんや!」など、役に立たない過去自慢が混ざる。
- 「私になぜ確認しない?!」と「自分でちょっと考えたらわかるやろ!」のバランスが最悪にセンスがない。
- 思いつきで指示がぶれる。ブレに気づかない。9割裏目に出る。(そのたびに部下が振り回される)
- ぼくは冷静だよ?!と明らかに感情的なご様子でふるまう。(周りは全員気づいてる)
- 何より、自分がこういう存在になっていることに気づかない。
部下たちは思った以上に辛辣で、きつい言い方だと
「0点の存在」「人前に立っていい人物じゃない」
などという不穏当な言葉が隠語的にロッカールームで交わされていることもあるとか。
・・・上司も進んでそういう存在になりたいと思っているわけじゃないだろうし、それなのにいつの間にか陥ってしまう危険性を持っている・・・不可思議な!
(日本は民主主義のいい国ですが、仕事場は民主主義とは限らないですからね・・・)
5~10年ほど前の書籍ですが、上司・部下・マネジメントについて触れた素晴らしい書籍も出ています。
太田肇さん「見せかけの勤勉の正体」(PHP研究所)
佐々木常夫さん「リーダーという生き方」(WAVE出版)
最近ではこの1冊かな…
見波利幸さん「心を折る上司」(角川新書)
イメージ「暗闇に光が差した」
では、本題の魁が尊敬する方について書いていこうと思います。
お世話になったのは、魁がド新人のペ~ペ~の時です。
今となっては、何の気なさそうにスルスルと毎日指導をしていますが、もちろんぺ~ぺ~だった時があります。
実は学生時代にアルバイトで講師も家庭教師もしたことがなく、経験ゼロで正社員講師になりました。
(これは学生時代にヘタクソ集団なりに演劇活動をしていたことから、なんだか行ける予感がして応募したのです。)
しかし、安易な気持ちでスタートしたことは関係ないとしても、その会社は、生徒にもスパルタ指導なだけでなく、社員にもスパルタな環境で右往左往ばかりしていました。
その上司は、私が異動した先の校舎のトップで、スポーツマンタイプでガッハッハな方でした。

ただ、パワフルといっても「脳みそ筋肉」ではなく、よく目を配る方でもありました。
当時の私の授業なんて、たどたどしくて噴飯もののレベルだったはずですが、
「魁くん!声が通るね!」
「魁くん!板書(ホワイトボードの字)きれいだね!」
と小さな発見をしては、裏表なく(実際はわかりませんが、私がそう感じたので)即ほめてくれました。
多分、どういう人間でどういう言葉が効果があるのか、見抜いていたんだと思います。
聞けば、そのリーダーも講師未経験新卒社員で10年たたき上げ、(当時は)校舎の長に着任したとのことでした。
帰りの電車が同じであったことも幸いして、終電前に駅まで両名ダッシュした後、電車内でいわゆるバカ話から仕事の話、ダメ出しも含めて色々教えてもらいました。
自分は講師向いてない、辛い思いばかりしている…と思い込んでいた私より、はるかに困難なことに遭いながら打破して来られたようで、話が面白いこともありましたが私の視野が広がっていく感じがしました。
パワーあふれる方だったので、かなりの剣幕で指摘を受けたこともありましたが、指摘が具体的で「ああ、私は~~だから指導されているんだ」と理解できましたし、ありがちな「ブン投げ」「根性論」「叩きつけ」などではなく、解決策へのアシストが卓越していました。
とにかく、その優れたリーダーの薫陶を受けました。
知識だけでなく、自前の資料類を惜しげもなく魁に与えてくれました。(その社内では助け合いが珍しいことでした。)
チャレンジのバックアップもしてくれ、プロフィール欄にも書いています、スペシャルな「特訓講座」の開講に手を挙げて担当できました。
塾生&保護者アンケート(勇気のあるまともな塾にはそういうのがあります)でも強烈にいい評価を得られるようになり、石の上にも3年の部分が形成されていきました。
弱点の多い人間である私に対して、今思うと甘い人だったのかもしれませんが、ご自身の指導も上手で合格者も出し、保護者の信頼も厚くて、校舎自体が円滑で生徒も集まっていましたので、口先だけではない方でしたねー。
一兵卒の私が大した貢献をできたとはとても思えませんが、そのリーダーのタクトで校舎の「数値的なノルマ」もその年はパーフェクトに達成しました。(確か100校舎くらいの中で最速)
私はあの1年で成長しました。まさに闇に光が差し込んだ感じがしました。
きつい働き方でも、わかっててくれているんだなと思うと、嫌だとは一回も思いませんでした。

仕事しやす過ぎるんで、今はもういいです。
今に活かせるあのマネジメント
最大にこのリーダーの優れたところは、
- それまで「しっかりやれ」「いつまでにどうするの」のような”机上の空論”だけを叩きつけられて、何をしてよいのかわからなかった私に、出しすぎないアシストをくれたところ。
- 硬直化していた私の仕事に対するハードルを、「よく観察して言葉にする+ほめること」で柔軟になるまで下げたこと。
- 自分が過去に苦労をしたことの感覚を覚えており、部下を守る気持ちがあったこと。
だと分析しています。
部下は上司のことをよーく観察します。
単に勢いで「いいじゃん」「勢いあるじゃん」「はい握手!」など不明瞭で中身の薄い接し方をしても、一瞬良いと思っても飽きて、じきに響かなくなります。
顔色もよーく見ています。
感情任せに圧政を敷いてにらみを利かせようとする(=ハードルを高めてしまう)上司であったら「その目だけは何とかしのげればいい(しのげれば、鬼のいぬ間に…)」という委縮した気持ちが必ず部下に生まれます。
・・・魁が今できることにあのリーダーの長所を重ねて考えると、お預かりしているお子さんへの指導にバッチリ活きているんですね!これが。
お子さんの目線だと・・・
- お子さんはどんな人間が指導しているのか、よーく見ています。(魁は見られています)
- 勉強に多かれ少なかれ、ハードルを感じています。
- 「ちゃんと」「しっかり」「ていねいに」を連発されて、困惑しています。
- どこまでで怒られるのか、見逃されるのか、見極めようとしています。
- 褒められることに飽き、あるいは無理に褒められていることに気づいています。
ぬー。あの時の魁さんを見ているようです。どれかは当てはまります。
そう考えると、家庭教師の私がお子さんにどう声をかけてどうアシストするのか、高い確率で判断がつきます。
リーダーの異動があり、1年しか一緒にやらせてもらえませんでしたが、お世話になったし、今に至る基礎を構築してくれたことに感謝あるのみです。
(この記事を書いているうちに思い立ったので)別記事でもう一人、「この人スゲーな」について書こうと思います。